生涯発達理論について
成長という言葉は、教育でも社会でも
使われるワードです。
そんな身近な言葉ですが、成長の
意味を考える機会は、案外
少ないのではないかと思います。
そこで成長の言葉の意味を調べてみると、
成長には「身体的成長」「知識・スキルの成長」
「精神的成長」「人間関係の成長」の
4つの意味があるんだそう。
「身体的成長」は身長が伸びたり筋力がつくなど
目に見える変化ですが、それ以外は
目に見えない変化です。
つまり、中身の成長です。
自分の年齢に合う「成長」をしているか、
考えてみたいと思います。
まず知識・スキルの成長は、
新しいことを学び、できることが
増えること。例えばパソコンスキルや
プレゼンスキルなどがそうかもしれませんね。
そして、精神的成長は、
①自己理解が深まり、感情のコントロールが
できるようになる。
②他者への共感力や柔軟性が高まる。
人間的成長は、
①対話力や信頼関係を築く力が向上する。
②衝突を避けるのではなく、
建設的に向き合えるようになる。
という意味なんだそう。
私たちは、生涯をかけて成長する、
と言われていますが、年齢と共に
特に意識したいのが、精神的、人間的成長
かもしれませんね。
さて、生涯発達理論というものを
ご存じでしょうか。
この理論は、人間の発達が出生から死まで続く
という考え方に基づいています。
つまり、発達は子供時代だけでなく、
成人期や高齢期にも起こるという視点です。
特に40代50代に以下を乗り越えておくことが
60代以降の自分の発達につながるようです。
①自己の再評価
これまでの人生を振り返り、
「このままでいいのか?」と問い直す、
いわゆるミッドライフ・クライシス。
キャリアカウンセリングでは、
そんな節目で悩まれてご相談に
来られる50代の方が多いのですが、
こういった悩み、なかなか本人は
辛いのですが、成長過程にあるんだ!と
思ってください。
正しい悩みなんです。ここで立ち止まって
人生を振り返って、自分、このままで
いいの?と問いかけることで
自分と向き合えます。よりよい60代以降を
過ごすためににも、辛いけど見て見ぬふりは
しないでください、といつも
お伝えしています。
辛いと思うことが正常なんです!
②生産性の追求
仕事や家庭、社会貢献などを通じて
「何を残せるか」を考える。
③役割の変化
家庭や職場での役割など、多面的な責任を負う。
この時期は「育てる」ことが中心。
自分だけでなく、次世代や社会への影響を
意識するようになります。
40代50代に、これらを乗り越えると
ようやく大人として成長を遂げることに
なるのかもしれません。
②③の共通要素は、
自分自分、から周囲のために役立つ自分に
変化していく点です。
しかも、見返りを期待することなく。
それを期待するということは、結局
自分自分、なんです。
我見でものを見るのは30代で
本来は終わりですが、
しかし40代50代も、それを引きずることも
あります。
それを変えなくちゃ、と頑張った人は
その後の人生、友人も増え、社会に役立つ、
必要とされる存在になっていけます。
だから今もがき苦しんでいる40代50代の人は
自分、成長してるんだ!と安心してください。
私も50代後半に差し掛かりました。
よりよい老後を迎えるために
今が勝負時、と思って意識しています。